個人事業主やフリーランスで働くと、仕事以外にも経理や公的手続きなども発生します。
その中でも確定申告や持続化給付金に必要な売上台帳は、日々の売上記録が必要で、結構手間のかかる作業です。
この売上台帳はそもそも何なのか、何に必要なのか、どのように作るのかなどを解説していきます。
目次
売上台帳とは？
売上台帳とは、会社や事業、個人事業主などが仕事で発生する取引での売上を集計した帳簿のことを指します。日々の売上を、日付、取引先、売上内容、売上金額等を記録します。
売上台帳は、青色確定申告や白色確定申告でも必要になり。5年や7年の保存期間が設けられています。また、最近では確定申告の他に、家賃支援給付金、持続化給付金制度等の申請でも必要になります。
法的・公的にも必要ですが、売上台帳は売上分析やビジネスの振り返りにも活用することができます。
給付金申請に必要
特に2020年からは新型コロナウイルスによって、前年同期よりも売上が50％以上減ってしまった事業者は、持続化給付金を申請することができます。
その申請の際に必要な書類として売上が減った該当月の売上台帳があります。
申請に必要な売上台帳は以下のものです。
- 経理ソフトから抽出したデータ
- Excelで作成したデータ
- 手書きの売上台帳のコピー
売上台帳というタイトルでなくとも、該当月の売上状況がわかればなんでも可能です。形式は、PDF、JPG、PNGなどの画像形式で送信します。
どのように手書きや売上台帳を画像形式にしたらいいかわからない場合は、スマホのカメラで明細にわかるように写真をとったものでもよいです。
詳細については下記のURLを参考にしてください。
https://j-net21.smrj.go.jp/support/taisaku/teate/jizoku_kyufu.html
家賃支援給付金
「家賃支援給付金」とは、事業者の事業継続を下支えするため、地代・家賃の負担を軽減することを目的とした給付金・給付額は申請日の直前1か月以内に支払った賃料をもとに算出され、法人の場合は最大600万円、個人事業主の場合は最大300万円が一括給付される。
【必要書類】
■法人の場合
- （1）2019年分の確定申告書第一表の控え（1枚）
- （2）法人事業概況説明書の控え（両面）
- （3）受信通知（1枚）※e-Taxにて申告を行なった場合のみ
- （4）申請に用いる売上が減った月・期間の売上台帳など
■個人事業主の場合
- （1）2019年分の確定申告書第一表の控え（1枚）
- （2）月別売上の記入のある2019年分の所得税青色申告決算書の控えがある方は、その控え（両面）
- （3）受信通知（1枚）※e-Taxにて申告を行なった場合のみ
- （4）申請に用いる売上が減った月・期間の売上台帳など
参照：https://j-net21.smrj.go.jp/support/taisaku/teate/jizoku_kyufu.html
持続化給付金
「持続化給付金」とは、新型コロナの感染拡大により大きな影響を受ける事業主が事業を継続できるように資金面で支える国の給付金です。法人の場合は最大200万円、個人事業主の場合は最大100万円が一括給付される。
【必要書類】
- （1）通帳表紙
- （2）通帳見開き（1ページ・2ページ）
- （3）確定申告書別表一
- （4）法人事業概況説明書（1枚目）
- （5）法人事業概況説明書（2枚目）
- （6）売上が前年同月比50％以上減少している月の売上台帳等
参照：https://www.meti.go.jp/covid-19/yachin-kyufu/index.html
売上台帳を作成する
給付金の申請はしたいけれど「必要な資料がわかりにくい」「どうやって作成したらいいかわからない」「給付金がもらえるか不安」という人も多いですよね。特に売上台帳は、あまり馴染みがないためどのようなものか分かりにくいです。
そこで、今回は持続化給付金申請に使える売上台帳の書き方を紹介します。
売上台帳に必要な項目
売上台帳に書くフォーマットは以下の内容が必要です。
- （1）会社名(事業者名)
- （2）対象月(対象期間)
- （3）日付
- （4）取引の明細
- （5）金額
- （6）合計金額
売上台帳に書く内容は、あくまでも売上だけなので経費など余計な費用は入れないようにしましょう。
売上台帳の詳しい書き方に関しては、【無料テンプレートあり】スプレッドシートで売上台帳の作成方法を解説 | 確定申告・持続化給付の申請ににて解説していますので参考にしてみてください！
売上が0円の場合
政府の持続化給付金の申請の注意事項には売上が0円の場合を書いていませんが、売上台帳は必ずアップロードしなくてはならないので、売上が0円の場合でも売上台帳の提出が必要になります。
売上台帳に期間（対象月）と会社名などの情報を記入し売上0円と記入した売上台帳を作成してください。
取引先は、主に「お客様」と記入すればよいです。しかし、従業員に対しての販売や取引も記載する必要があるので、販売先には「お客様」もしくは「従業員」と記入しておくとよいでしょう。
売上台帳の詳しい書き方に関しては、【無料テンプレートあり】スプレッドシートで売上台帳の作成方法を解説 | 確定申告・持続化給付の申請ににて解説していますので参考にしてみてください！
売上台帳の作成に便利なサービス・ツール
会計ソフト
会計ソフトを使うと、確定申告などの書類作成を簡単に行うことができます。
最近では、パソコンを持っていない人でも使えるようスマホ用の会計ソフトアプリなども出ています。
スマホでも使えて初心者でも簡単に利用できるものを紹介します。
freee(フリー)
銀行口座やクレジットカードなどの取引記録を自動で読み込み、収入や支出の勘亭科目が豊富で、初心者でも使いやすいアプリです。
確定申告書は複数の質問に答えるだけなので数分で作成することができます。
また、納税金額もアプリで自動で計算してくれるます。会計帳簿作成のみならず申請書類関係も簡単に作成することができます。
| スタータープラン | スタンダードプラン | |
| 初期費用 | 0円 | 0円 |
| 月額費用 | 月額1,180円 | 月額2,389円 |
| 機能 | ・経理・確定申告に必要な機能・チャット・メールサポート・レシート写真保存月5枚まで | ・スタータープランの機能・レシート写真保存無制限・様々なレポート機能・消費税申告機能・農業所得の確定申告 |
| 対応端末 | iOSandroidタブレット | iOSandroidタブレット |
マネーフォワード クラウド確定申告
銀行、クレジットカード、電子マネー、POSレジなどの様々なサービスと連携し、データ入力を自動化してくれます。
各種確定申告に必要な書類も自動で作成することができます。
また、これとは別に「マネーフォワードME」というアプリもあります。
家計簿に近いので、固定費の入力、口座やクレジットカードの管理もできます。
レシートの読み取り機能やカレンダー機能もあり、見やすさ、操作性の簡単さがとても魅力的です。
個人事業主やフリーランスの方はこちらのアプリも使うことをおすすめします。
| パーソナルミニ | パーソナル | パーソナルプラス | |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 月額費用 | 月額980円 | 月額1,280円 | 月額2,980円 |
| 機能 | ・クラウド会計・クラウド給与・クラウド経費・サポート機能（メール・チャット） | ・パーソナルミニの機能・クラウド請求書 | ・パーソナルの機能・サポート機能（メール・チャットに加えて電話での対応が可能 |
| 対応端末 | iOSandroidタブレット | iOSandroidタブレット | iOSandroidタブレット |
POSレジアプリ
POSレジサービスを使うと、売上内容や売上金額を自動で蓄積してくれます。
アプリで使えるものもあり、タブレットで店頭利用も可能です。
リクルートが出しているレジアプリです。
基本的なレジ機能に加え、売上管理や分析もでき、会計ソフトとの連携もできます。
レジ端末はiPadかスマホを利用することができます。キャッシュドロアやレシートプリンターなどは別で購入しなければなりませんが、エアレジを使用することで本格的なレジ環境を整えることができます。
| 初期費用 | 0円 |
| 月額費用 | 0円 |
| 決済端末 | ・プリンター内蔵型プリンター（54,800円）・レシートプリンター（36,900円）・キャッシュドロア（7,980円）など |
| 対応している決済方法 | Airペイ・クレジットカード・電子マネー・QRコード決済決済手数料：3.24％～ |
| レジ以外の機能 | ・オンライン決済・CSV出力・売上分析・顧客管理・商品管理 |
| 連携可能なサービス | 【会計ソフト】・freee・弥生【予約システム】・ホットペッパービューティー など |
Square POSレジ
シンプルで誰でも使いやすいデザインと操作性で、iPadで使えるPOSレジ界隈ではもっとも人気なサービスです。
専用レジ周辺機器なども販売しており、軽量かつ小さい機器で持ち運びにも長けていることからイベント販売や即売会などでもよく使われています。
連携可能な会計ソフトも数種類あり、レジ会計・売上管理もセットで行い方にはとてもおすすめです。
クレジット決済に加え、電子マネー決済もできます。
paypayやD払い、外人向けの電子マネーなども対応しているので外人がきても安心です。
| 初期費用 | 0円 |
| 月額費用 | 0円 |
| 決済端末 | ・Square Reader：7,980円・Square Standセット（レジ）：89,800円 |
| 対応している決済方法 | ・クレジットカード・電子マネー決済手数料：3.25％～ |
| レジ以外の機能 | ・売上データ分析・スタッフ管理・顧客リスト・在庫管理・ギフトカード |
| 連携可能なサービス | 【会計ソフト】・Money Forward・Freee【ECサービス】・Wix【予約システム】・トレタ テイクアウト など |
まとめ
今回は売上台帳の解説、作り方、売上台帳作成に役立つサービスを紹介しました。
売上台帳は、一定期間の売上の明細を記録するための帳簿です。
日々の売上の記録を手作業で行うと非常に手間や時間かかります。
新型コロナウイルスで売上が減ってしまった事業者が、家賃支援給付金や持続化給付金を申請するときに必要なのでテンプレートを利用して申請用の資料を作成しましょう。
手書きで提出する場合は、PDFファイル版をダウンロードして該当月の売上を手書きで記入するのがおすすめです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
