助成金とは?
助成金と補助金の違い
助成金とは要件を満たせば支給される金額があらかじめ決まっているお金です。申請後の後払いが多く、返金義務はありません。
補助金は、事業内容によって審査があり、支出に対して一定割合で支給されます。応募制で応募期間が短いものが多いです。こちらも返金義務はありません。
どちらも返金義務がないので支給のハードルはそれなりに高いです。対象や自治体の決まりによっても変わりますが、審査がない分助成金の方が取り掛かりやすい傾向にあります。
開業時や開業後にかかる金額を算出しましょう
自力でネイルサロンを開業した場合の初期費用を算出しましょう。
項目 | 最安の目安金額 | 平均的な目安金額 |
店舗所得費(仲介手数料など) | 0円 | 250万円 |
改装・設備費 | 5万円 | 140万円 |
備品費 | 5.5万円 | 40万円 |
広告・宣伝費 | 0円 | 20万円 |
その他費用 | 27万円 | 50万円 |
総額 | 37.5万円 | 500万円 |
上記はあくまでも参考の目安金額ですが、初期費用を目安を試算すると、37.5万円~500万円という結果になりました。
事業を軌道に乗せるまでにはある程度お金がかかります。自己資産だけでは厳しい場合、助成金や補助金を利用できると心強いですね。
ネイルサロン開業に使える助成金10選
1.若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」は東京都の助成金制度です。新規開業・改装にかかった工事費や設備購入費などを含めた最大730万円までの支援を受けられます。
女性の企業かであれば、年齢関係なく申請できるうえ受給額も比較的高いです。
ですが、若手・女性リーダー応援プログラム助成事業の給付は、東京都内の商店街でネイルサロンを出す場合のみとなります。
2.キャリアアップ助成金
「キャリアアップ助成金」は、アルバイトやパート・派遣スタッフなどの非正規雇用労働者のキャリアアップを促進する助成金です。
・支援金額
有期契約で1人あたり最大72万円
無期雇用で1人あたり最大32万円
(選ぶコースによって金額が異なります)
・支援対象者
資本金がない、個人事業主や中小企業事業主
・申請先
労働局もしくはハローワーク
・参考サイト
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html
3.地域雇用開発助成金
「地域雇用開発助成金」は、過疎化地域において雇用の機会を増やすことに貢献した事業者へ支給される助成金です。事業規模や雇用人数に応じて、事業者に対して48万円~960万円が支給されます。
4.小規模事業者持続化助成金
「小規模事業者持続化助成金」は、経済産業省が実施している「小規模事業者持続化補助金」は小規模事業者の販路開拓や生産性向上を支援する制度です。
選考に通過すると50万円を上限として、施策にかかった費用の3分の2を補助してもらえるというもの。ネイルサロンの場合は、常駐する従業員の数が5人以下であれば申請することが可能です。
5.人材開発支援助成金
「人材開発支援助成金」は、人材育成に継続的に取り組んでいる事業主を支援する助成金制度です。
ネイルサロンで利用するのであれば、知識・技術を取得するスキルアップ研修&教育制度を取り入れていることが条件となります。
また、スタッフを雇わない場合でも、自分の知識や技術向上のための取り組みを行っていて、その他の給付条件を満たせば支援を受けられる可能性もあります。
研修の種類には、自身のネイルサロン内でお客様に対して施術を行う研修とサロンを離れてネイルの練習を行う研修があります。こちらは内容によって支給金額が異なりますので注意しましょう。
6.トライアル雇用助成金
「トライアル雇用」とは求職者の採用に当たり、正規雇用としての適正を見極める目的として、一定期間(原則3か月)の試用期間を設けた上で採用することを指します。
トライアル雇用助成金は、雇用する対象者によって種類が分けられます。
・一般トライアルコース
→安定就業を希望する未経験者を試行的に雇い入れる場合に適用
・障がい者トライアルコース・障がい者短時間トライアルコース
→障がい者を試行的・段階的に雇い入れる場合に適用
コースによって、トライアル雇用の期間や支給額が異なるので注意しましょう。
7.特定求職者雇用開発助成金
「特定求職者雇用開発助成金」とは、条件を満たした従業員を新たに雇い入れる事業者に厚生労働省から支給される助成金です。
条件さえ満たせば支給することができ、返済する必要がないので人材確保ができ、返済不要の資金調達もできるメリットがあります。
8.地方再生中小企業創業助成金
21都道府県において、地方再生事業を主たる事業として行う法人を設立又は個人事業を開業し、創業・雇入支援対象労働者を1人以上雇用することを指す助成金です。
支給上限は300万円又は500万円くらいといわれています。
9.両立支援等助成金
職業生活と家庭生活の両立支援や女性の活躍推進に取り組む事業主を支援する制度です。優秀な人材を確保・定着させるための助成金です。労働者1人あたり5万円、1事業主につき10人まで支給されます。(上限50万円)
10.地方自治体の助成金
助成金は原則通年を通して申請可能です。
業種や社員数など条件に合致していれば、ほぼ支給されるので難易度は低いです。
人気の助成金は、発表から2か月程度で受付終了になることもあるので、早めの申請が重要です。
各自治体により異なりますが、通常は3月末の年度いっぱいまで受け付けているところも多いです。
助成金を活用する際の注意点
申請が難しい
助成金・補助金制度は、申請が方法がややこしいので自分で手続きを行うのは少し難しいかもしれません。
専門用語で説明が記載されているパンフレットやホームページがほとんどで、専門知識がないと受給までに時間がかかってしまうでしょう。
また、申請ができたとしても書類に不備があると再手続きや最悪の場合には、受給不可になるケースもあります。
自分だけで手続きする自信がなければ、専門家に代行してもらうのもひとつの手です。費用はかかりますがプロに依頼したほうが申請から受給までがスムーズに進められます。
受給までに時間がかかる
助成金の申請が完了してから振り込まれるまでに、約2か月~半年くらいかかります。助成金の種類によっては、数回にわけて振り込まれるものもあります。
申請後、すぐに資金が手元に入るわけではないため、ネイルサロン開業費用というよりも開業後の運用費用に充てるもと考えておいた方がよいかもしれません。
開業資金が足りるか心配であれば、銀行融資やサロン規模・予算を見直す必要があるかもしれません。
あくまでサポートの位置づけ
ネイルサロンの開業の多くの経費がかかるため、助成金制度は積極的に活用していきましょう。店舗経営には事業計画を立て、資金繰りを安定させるための準備が必要です。
助成金を申請しても、審査が通らないこともあります。助成金ありきでネイルサロン経営を決めないようにしましょう。助成金はあくまでサポートとして考えましょう。
プロに相談や依頼する選択肢も
自治体には、助成金制度だけではなく、助成金について学べるセミナーや相談会を開催してるところもあります。中には女性限定などのセミナーもあるので一度足を運んでみるのもよいでしょう。
また、「申請したいけど、1人では全部は難しい」など思う方もいらっしゃると思います。多少費用はかかりますが、プロに依頼することもできます。最近ではAIチャットボットに質問すると自分にぴったりの助成金を出してくれるようなWebサービスも登場しており、より制度を利用しやすくなってきているので活用してもいいかもしれません。
創業・事業承継補助金
「創業・事業承継補助金」は、新たな需要や雇用の創出等を促し、経済を活性化させることを目的に、新たに創業する方に対して経費の一部を補助する補助金です。
補助率は2/3、補助下限額は100万円となっています。補助上限額については、創業支援型(Ⅰ型)、経営者交代型(Ⅱ型)は400万円、M&A型は800万円となっており、廃業費用を伴う場合、いずれの類型でも200万円の上乗せ額があります。
小規模事業者持続化補助金
「小規模事業者持続化補助金」は、小規模事業者が行う販路開拓や生産性向上の取り組みに要する経費の一部を支援する制度です。
この制度は、商工会、商工会議所のサポートを受けながら経営計画書、補助事業計画書を作成し、審査に通過すると所定の補助を受けられます。
補助率は2/3で、補助金額は最大50万円程度です。
助成金・補助金以外でネイルサロンの開業資金を集める方法
ネイルサロンの開業には、事業が軌道に乗るまでお金と時間がかかります。
ネイルサロンの開業資金を手に入れたいと考えるのであれば、以下の方法で資金を調達することも検討しておくとよいでしょう。
・自己資金
・新創業融資制度
・制度融資
・ビジネスローン・クラウドファンディング
・親や友人からの借り入れ
融資や借り入れなども含まれますが、中には即金性の高い資金調達方法もあります。
まとめ
日本では、開業を目指す人に向けた制度が豊富なので、積極的に活用していくのがおすすめです。
知らないことで損をすることがないよう、助成金・補助金等の制度以外にも、自治体の情報や開業資金の調達方法等、色んな情報をリサーチして開業を成功させましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。